なくした時間にいてくれた

保健室に入ると養護教諭に私を任せ、岡くんはすぐ授業に戻ってしまった。


「いつものほう、空いているからね」

「はい……」


保健室にはベッドが二つあるようだった。

いつものほうがどちらかは分からなかったが、一つはカーテンが閉められているから誰かが使用していたから、
カーテンが空いているほうに行き、上靴を脱いで横になる。

お姉ちゃんはここで寝ることが多かったのだろうか?

さっき言われた「いつものほう」が心に引っ掛かる。

家ではものすごく明るいとは言えないけど、具合を悪そうにはしていないし、悪そうにも見えなかった。

どうしてここで寝ていたのだろうか。遅くまで勉強していることが多かったから、眠くて寝ていたのかな。

寝不足なら夜更かししてまで勉強なんかしないで寝たらいいと思うのだけど、お姉ちゃんの考えは分からない。

しかし、今、私は寝不足だ。今日のことを考えていて、昨夜はなかなか寝付けなかった。

真っ白な天井を眺めているうちに瞼が重くなっていく。