なくした時間にいてくれた

「ううん、花実は祐介くんのことを頼りにしていたよ。祐介くんに元気付けられていたもの。私のせいで話をする人が全然いなかったのに、祐介くんが話し掛けてくれたから救われていたとメッセージにもあった」

「少しでも花実ちゃんが苦しくなかったんならいいけど」


落ち込む祐介くんの声はまだ暗い。祐介くんも花実と同じで人の気持ちに敏感で優しいから、傷付きやすいのかもしれない。

私の言葉では元気付けることは無理かな。でも、無理だと諦めない。花実のように粘り強くならないといけない。


「祐介くん。私は祐介くんを頼りにしているよ。祐介くんが支えてくれているから私は花実のこともがんばれているんだよ。だから、そんなに自分を責めるみたいにしないで」

「うん。……あ、あのさ。ものすごく元気になれる言葉があると思うんだけど」

「元気になれる言葉？」


落ち込んでいたのに何かを思い付いたようで楽しそうに言う。元気になれる言葉とは何だろう。