なくした時間にいてくれた

私はいつも花実に助けられているような気がする。私は花実に何もしてあげれなかったのに。

この世にいなくなってからも助けてくれるなんて、本当に嬉しい。私が悲しまないようしてくれて嬉しい。


「そうだ、昨日写真は渡せてないよね？」

「うん。行けないと連絡して、また渡せる日を連絡すると言っておいたよ。どうしようかな」

「俺、まだ一週間は入院しないといけないんだけど、松本さん一人でも行ける？」

「うん。渡すだけだし、私一人でも大丈夫だよ。じゃあ、連絡して渡してくるね」


まだ渡せていない写真は私のカバンに入ったままになっている。早く渡してあげたいと思っていたのに三月までのびてしまって、さらにのびてしまっては悪いから病院を出て、すぐに連絡した。

返信がすぐに来て、今日の昨日と同じ時間に待ち合わせをした。場所も同じコーヒーショップ。昨日は花実の友だちも一緒に来る予定だったけど、今日その友だちは用事があって行けないから、男の子だけが行くと書いてあった。