なくした時間にいてくれた

「花実がいたの? 花実に会ったの?」


花実に私の願いが届いて、花実が岡くんを助けてくれた?


「ぼんやりとその子の顔を朝起きたときに思い出したんだけど、どこかで見たことあるようなきがしてね。そうだ、お葬式の時の写真と同じ顔だったと思った。やっぱりあれは花実ちゃんだと思う。信じられないかもしれないけど、花実ちゃんが俺を助けてくれたんだよ」

「花実が……。岡くん、私その話を信じるよ。だって、岡くんが事故に遭って、私は願ったんだよ。花実に岡くんを助けて、お願い!って」


あの願いが花実に届いて、岡くんは今生きている。いっぱい願って良かった。


「松本さん、そんなに願ってくれたんだ」

「もちろん。花実だけでなくて神様にもお願いしたよ。でも、神様より花実だね。やっぱり花実はすごいな」

「うん、花実ちゃんはすごいね。松本さんのためにがんばっていたし、俺のことも助けてくれた。本当に花実ちゃんには感謝してもしきれないな」