やっぱり左手を動かすのは痛いらしく、元あった位置に戻してから岡くんは話を続けた。
その話は信じられないものだったけれど、私には信じられるものだった。
「真っ暗の中にポツンと俺だけがいてね。そこに一つの道があったんだ。歩いていったら何かあるのかなと進もうとしたら、後ろから岡くん、そっちはダメ! という声が聞こえて振り返ったんだけど、声がした方は真っ暗で道も何もないし、誰もいなかったんだ」
「うん、それで?」
「それでやっぱり進もうとしたんだけど、また呼ばれた。何だよ、いつまでたっても進めないじゃないかと振り返ったら、真っ暗だったところに小さな丸い穴があって、そこから光が入っていた。なんだろうとそこを見ていたら人がくぐれば通れるくらいに穴が広がったんだ。で、顔が出てきた」
「顔? 誰の?」
岡くんの話は不思議なものだけど、夢にしてはよく覚えている。夢というよりと体験してきたという感じ。
その話は信じられないものだったけれど、私には信じられるものだった。
「真っ暗の中にポツンと俺だけがいてね。そこに一つの道があったんだ。歩いていったら何かあるのかなと進もうとしたら、後ろから岡くん、そっちはダメ! という声が聞こえて振り返ったんだけど、声がした方は真っ暗で道も何もないし、誰もいなかったんだ」
「うん、それで?」
「それでやっぱり進もうとしたんだけど、また呼ばれた。何だよ、いつまでたっても進めないじゃないかと振り返ったら、真っ暗だったところに小さな丸い穴があって、そこから光が入っていた。なんだろうとそこを見ていたら人がくぐれば通れるくらいに穴が広がったんだ。で、顔が出てきた」
「顔? 誰の?」
岡くんの話は不思議なものだけど、夢にしてはよく覚えている。夢というよりと体験してきたという感じ。


