なくした時間にいてくれた

だから、本当に嬉しい。


「良かった! 良かったよー! 岡くん、良かったねー」

「あ、あの、松本さん。良かったし、俺ももちろん嬉しいんだけどさ。、あの、そのー、えっと……なんていうか」


珍しく動揺する岡くんの声が聞こえてどうしたんだろうと顔をあげると至近距離に真っ赤になった岡くんの顔があった。

というか、私は嬉しさのあまりに岡くんに抱き付いていた。抱き付かれた岡くんは自分の両手をどこに置いていいか分からなくなったようで、中途半端な高さにあげてうろたえていた。


「えっ、あ、うわっ。ご、ごめんね。つい嬉しくて……だからって何しちゃっているんだろう、私ったら。ごめんなさい!」

「いや、別にいいんだけど。まあ、それはそれで嬉しいんだけどさ。ビックリしちゃって……なんか俺、情けないな。せっかくなら俺もぎゅっとすれば良かった」


自分のした行動に慌てて離れて謝る私に岡くんは照れながら笑う。それを見て、私もまた笑う。

なにはともあれ、合格出来て良かった