なくした時間にいてくれた

どうしようかと悩んだけど、岡くんとは一緒に見に行くことにした。緩んでいた顔は不安顔になり、前日の夜から落ち着かなくて家の中をうろうろと用もなく歩いていた。

父には今さら何も出来ないのだから落ち着きなさいと言われだけど、そうそう落ち着いてなんかいられない。

自分なりには頑張った。自己採点でも今までのどの模試よりもよく出来たと思う。だけど、自分だけではなく他の人もよく出来るほど難しくない問題だったかもしれない。

そう思うと不安で不安で仕方がなかった。

私たちの受験番号は近かったからお互いがお互いの番号を覚えていて、二人で貼られた合格者の番号を探した。


「あ! あれ……」

「ああ! あった!」

「あった、あったよ! 岡くん、あった!」


ほぼ同時に見つけた私たちは番号を指差して、顔を見合わせた。私のも岡くんのもあった。

本当にどういう結果が出るか分からなくて今日まで不安だった。一人が受かって、一人が落ちたら……二人とも落ちたらそれもまたどうしようと昨日は悪い結果ばかりを考えていた。