なくした時間にいてくれた

秘密にしたいのかまだ話してもらっていなかったから、やっと知ることが出来ると内心ワクワクしていた。


「えっ? 岡くん、ここの大学を受けるの?」

「うん、そう。松本さんと同じだよ。だから、教えてもらった時はビックリしたんだ。あの時は本当に驚いた」


ビックリしたのは私の方だ。あの『えっ?』の返信は同じでビックリした『えっ?』だったとは……その時にすぐ教えてくれたら良かったのに。


「何であの時に教えてくれなかったの?」

「あー、実はさ、目指しているだけであって、合格ラインには程遠かったから、俺も同じと堂々と言えなくてね」

「今は堂々と言えるようになったの?」

「ううん、今もまだまだ怪しいんだよ。でも、可能性はゼロではないと信じて受けることにしてるよ」


私も岡くんと同じだ。まだまだ怪しい。それでもがんばるしかなく、毎日勉強している。がんばれば可能性が低くても報われるのではないかと信じている。