なくした時間にいてくれた

岡くんも同じように図書室で一緒に食べようと言ってくれたけど、それも断った。でも、岡くんは週に一回は一緒に食べると言い張った。

結局週に一回ならと私が折れた。その週に一回の日が今日だった。


「松本さんと一緒に食べれると昨日の夜からワクワクしていてさ、なかなか寝付けなかったよ」


岡くんは言われている方が恥ずかしくなることを平気で言う。こんな時は恥ずかしくなってどう答えたらいいのだろうかと悩んでしまう。

だから、それには笑うだけにして、花実の写真のことに話を変えた。岡くんは私の話を真剣に聞いてくれた。


「花実ちゃんが自分の学校に行きたいなと一度だけポツリと洩らしたことがあるんだ。行きたくても行けない気持ちは切ないほど伝わってきたけど、早く戻れるといいねとしか言えなくて、他に言ってあげられる言葉がなかったのかと今でも時々後悔する」


私の前に座った時の嬉しそうにしていた表情が段々と曇っていく。