なくした時間にいてくれた

だけど、岡くんとは学校以外では話をしないことに決めていた。交際を申し込まれて返事はしたけど、実際にちゃんと付き合うのはお互いが合格してからになっている。

もしも合格しなかったらどうするのかは決めてはいない。不吉なことは決めないようにした。もしもは考えない。お互い合格することだけを考えて受験に挑む。

だから、受験に関係のない写真の話を今されても困るんじゃないかな。そんな相談をされても迷惑じゃないかな。

岡くんに相談をすることを躊躇う私の背中を知奈が押してくれた。「好きな子から相談されて迷惑だと思う男なんていないから」と。

そう言われてもなかなか話す機会さえもなかった、やっと相談できたのは数日後の昼休みで、図書室に岡くんが来たから話すことが出来た。

知奈は同じクラスの友だち二人とお弁当を教室で食べていて、そこに私を誘ってくれたけど、断った。知奈の気持ちは嬉しいけど、突然私が入ったら他の子が動揺するだろうし、不快な思いをしてほしくなかったから。