なくした時間にいてくれた

確かに勇気がいることだ。

岡くんは大きく深呼吸をした。緊張がこちらまで伝わってくる。


「松本さんが好きです。だから、俺と付き合ってください」

「はい、私で良かったら」


不思議と迷う気持ちはなかった。知奈に言われていたからか岡くんにもし言われることがあったら、ちゃんと答えようときめていた。

どんな答えを出すかまでは決めてはいなかったけれど。


「本当に?」

「うん。でも、合格してからでいいんだよね」

「うん、もちろん! うわー、嬉しいな。これでもっと頑張れる。松本さんも頑張ろうね!」

「うん。私ももっと頑張れるような気がしてきた。一人で頑張るよりも一緒に頑張ってくれる人がいると心強くなるね。岡くん、ありがとう」


にっこり笑って返すと岡くんの顔は見る見るうちに真っ赤になった。


「ありがとうなんて、こっちのセリフだよ。本当にありがとう!」


岡くんがテーブルの上にあった私の手をぎゅっと握るから私まで真っ赤な顔になってしまった。