「今さら前のように仲良くして欲しいと思うのは私の自分勝手な気持ちだと分かっているから、前のように友だちになるのは無理だと思うけど……たまには話をしてもいい？」

「うん、いいよ」


これまでのいろんな思いがあるから、前のように仲良くしようとすぐには言えないけど、徐々に仲良くなれたらいいなと思う。

まず私に報告しようと思ってくれたのは純粋に嬉しい。

電車を降りてからも少し話した。


「岡くんは楓花のことが好きだと思う」

「そうかなー？」

「そのうち告白すると思うよ。その時は私に遠慮しないでちゃんと向き合ってね。私は宇津井くんがいるから大丈夫だからね」

「うん。その時があったら考えるね」


岡くんの気持ちは分からないし、向き合ってどんな答えを出すかも分からない。それでも知奈が私のことを思ってくれたのが嬉しい。

知奈に拒絶された言葉や睨まれた目は忘れることは出来ないけど、もう一度やり直せたらいいなとは思う。