海に行った日からさらに1週間、8月3日になった。

幸菜は考えると言ったきりここに行きたいというのはなにも言わず、「勉強教えて〜」などと言って2人で黙々と勉強しているという毎日だ。

そしてやっとこの日、「私たちが行ってた幼稚園久しぶりに見たい」と言ったのでそこに行くことにした。


「なんかちっちゃく見えるね」

「体が成長したからな」

「彰人今何センチ?」

「175」

「羨ましい!私163だよ」

「ちっせぇな」

「笑うなー!」

などと言いながら笑ってるのは幸菜だ。俺はニヤッとしただけだった。

「…懐かしいね」

「ああ…」

本当に懐かしかった。

もうほとんど記憶にないが、あの頃から幸菜と仲よかった。

家が近所で、親同士の仲が良かったこともあり、入園前から仲よかったらしいが、流石にそれは覚えていない。

「他行きたいとこあるか?」

「みんなで行ったプール!外から見るだけでいいから。思い出巡りしたくなった」

「そうだな」

ゆっくりとプールの方へ足を向けた。