イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~


「で、アンタはどうすんの?日野田のことを思うなら選択肢は一つだと思うけど」

綾香がクックと喉を鳴らして笑う。

その姿はまるで悪魔のようだった。

見た目は人間だけど、血が通っていない。

里ちゃんも言っていた。綾香たちには何を言ってもムダだと。

今、その意味をようやく思い知らされた。

「里ちゃん……。ごめん……ごめんね……」

あたしが里ちゃんの立場だったら、あんな写真をネットにバラまかれるのだけは絶対に避けたい。

悔しいけれど、綾香の言う通りあたしに残された選択肢は一つしかなかった。


あたしは里ちゃんのいるロッカーにゆっくりと歩みを進めた。

そして、歯を食いしばってマミとともにロッカーを両手で押さえた。

「優亜……?何してるの……?」

涙声の里ちゃんに胸が張り裂けてしまいそうになる。

「ごめん、里ちゃん。ごめんね……」

「どうして?どうして――!!」

里ちゃんがロッカーの中で泣き崩れている。

あたしはもう里ちゃんに謝ることができなかった。

抑えようと思っても目からは大粒の涙がとめどなくあふれる。

里ちゃんは抵抗を辞めた。ロッカーの中からはすすり泣く声だけが聞こえてくる。


「あー、抑えんの疲れた。もう出そう」

しばらくすると、マミはそう言ってロッカーを開けた。