「でも……カンナ、ちょっと心配だなぁ。その火傷って誰かにやられたんじゃないの……?」

「え?」

「優亜ちゃんのクラスってこの時間、調理実習だったんじゃないの?手をやけどするならわかるけど、胸元を火傷するなんて誰かにやられたとしか思えないもん!」

「えっと……それは……」

今日初めて言葉を交わしたカンナに今日の出来事を告げるのは重過ぎる気がした。

あたしがイジメられていると知った時のカンナの反応が怖い。

「――って、そんなことないか!ごめんね~!カンナってば勘違いしちゃった!でも、火傷ってすっごーく痛いよね?可哀想な優亜ちゃん」

カンナはそう言うと、そっとあたしの頭を撫でた。

「カンナは優亜ちゃんの味方だからね。何かあったらすぐにカンナに相談してね。力になれることもあるかもしれないから」

「ありがとう……、カンナ」

「ふふっ!どういたしまして~!」

目が合うとカンナはにっこりと微笑んだ。

隣のクラスにこんなに心強い友達ができるなんて思ってもみなかった。

ヒリヒリと痛んでいた胸の中がカンナの優しさでじんわりと温かくなった。