あたしと里ちゃんはそろって屋上にやってきた。
「はい、これ」
里ちゃんは教科書の汚れを手で払った後、あたしに差し出した。
「ありがとう」
「別にお礼なんて言わないでいいって。あたし、優亜に何もしてあげられないし」
「そんなことないよ……!」
「ううん、できないの。あたしは優亜みたいに綾香ちゃんたちに刃向かう勇気はないから」
里ちゃんは屋上のアスファルトの上で膝を抱え込んだ。
「イジメって……どうして起こるんだろうね」
あたしもその隣で膝を抱え込みそうポツリとつぶやく。
「あたしね、綾香ちゃんたち3人と小中高って一緒なの」
「あっ……そうだったんだ?」
「うん。あたしにとって綾香ちゃんは小学生の時から脅威だった。ワガママで自己中で身勝手で暴力的で攻撃的で。家での顔と外での顔が全く違うの。だから親は娘が学校で友達をイジメたり仲間外れにしているなんて考えられないんだろうね」
いつからかマミとみやびの3人組になり学校では絶対的な権力を持つようになった。
「学校は閉鎖的でしょ?狭い教室っていう空間の中でイジメが起こって、逃げることも助けを呼ぶこともできない状況ってすごく怖い。それをあたしは小6の時に実感したの」
「え?」
「あたしも、あの3人にイジメられてたの」
「まさか……そんな……」
里ちゃんの言葉に衝撃を受ける。



