昨日までとは全く違うクラスメイトの態度に胸がざわつくのを必死にごまかし、平然を装っていると、

「……あの、逢沢さん」

背後から名前を呼ばれた。

振り返ると、そこにいたのは柴村さんだった。

「あっ、柴村さん。おはよう」

柴村さんからこうやって声をかけてくれたのは初めてだった。

驚きながらも微笑むと、柴村さんはそっとあたしに何かを差し出した。

「えっ……?」

「昨日……番号を教えてって……だから、買ってきました」

柴村さんの手に握られていたのは白い最新型のスマートフォンだった。

「もしかして……あたしが番号を聞いたからわざわざ買ってきてくれたの?」

目を丸くするあたしに柴村さんは小さくうなづいた。