――おかしい。 翌朝、教室に入るなり妙な違和感を覚えた。 自分の席に向かっているだけなのに、教室中の視線がなぜかこちらに向けられている。 目を見合わせてヒソヒソと何かを囁きあうクラスメイトの間を抜けて自分の席に腰掛ける。 学校指定のバッグを机の上に乗せ、あたりの様子を伺った。 やっぱりおかしい。 みんながあたしを見て口々に何かを話している。 それも嫌悪感丸出しの表情で。 一度小さく息を吐くと、バッグの中の教科書を机にしまう。 気にしない、気にしない。 そう自分に言い聞かせる。