黙ったままぐっと手のひらを握り締めて耐えるあたしに若菜先生はにっこりと微笑む。 「とにかく、私が確認したかったことはイジメの有無。でも、特に問題なかったわね。うちのクラスに限ってってちょっとだけ心配していたからほっとしたわ。せっかくの休み時間に呼び出してごめんなさいね」 先生はまくしたてるようにそういうと、さっさと出て行けとばかりに椅子を回転させてあたしたちの背を向けた。 悔しい。 悔しくて仕方がない。 「……柴村さん、いこう」 あたしは柴村さんにそう促してともに職員室を後にした。