あたしもつられて席に座った。
ドクンドクンッと心臓が不快な音で鳴り続ける。
暑くもないのに額に大粒の汗をかき、喉の奥がきゅっと詰まったように苦しい。
指先が小刻みに震えて視点が定まらない。
――恐ろしかった。
綾香とマミの言葉が。
教室中の粘着質な視線が。
言葉では言い表せない独特の恐怖がそこにはあった。。
「みんな、遅くなってごめんなさいね。どう?班は決まった?」
教室に入ってくると、担任の先生は黒板に視線を移した。
「これはどういう風に決めたのかしら?くじ……ではないわね」
先生はポツリとつぶやく。
「うちらみんなで考えて平等になるように好きな人同士で組みました~。
で、1班は柴村さんに代わって逢沢さんが入ることになったのでー」
マミの声に先生はいぶかしげな表情を浮かべる。
「好きな人同士?それはみんな納得した上で決めたこと?」
「当たり前じゃないですか~!!」
マミの言葉に、クラスメイトたちは下向いて何も答えない。



