「あたしが……あたしが美亜を……」

鼻の奥がツンっと痛んで目頭が熱くなる。

「そうだよぉ~!優亜ちゃんが美亜ちゃんを殺したようなもの。でもねぇ、優亜ちゃんにイジメられて自殺した二人のクラスメイトの子もその両親も同じぐらいの傷を負ったの。イジメってねぇ、そういうこと。軽い気持ちでやったら最後、取り返しのつかないことになるの」

そうだ。あたしの名前がネットでバレ、拡散され、家の前には常にマスコミが張り付き、ポストには誹謗中傷のビラが投げ込まれた。

美亜が自殺をし、母がすぐに後を追ったのだって全部あたしのせい。

2人が自殺したとあと、クラスメイトを自分が主導したイジメで自殺に追いやったことの後悔の念にさいなまれて夜も眠れなくなった。

食事もとれず、後悔に押しつぶされる毎日。

日に日に精神はむしばまれ、自分自身を守るためにあたしは記憶を失った。

そうでもしないと、生きていけなかったから。

すべてはあたしが軽い気持ちで始めたイジメから。

イジメの代償はあまりにも大きかった。

「うっ……うぅぅ……」

「因果応報ってあるんだねぇ~!人にした悪い行いはいつか自分に返ってくるんだよ~?」

カンナは涙をこぼすあたしの前にゆっくりを腰を下ろして同じ目線になった。

そして、にっこりと笑った。

「じゃあ、さようなら。天国では静子ちゃんとお友達になってあげてね?って、天国にいけるかはカンナにもわからないけどねっ!」

カンナはあたしの首筋にスタンガンを押し当てるとスイッチを入れた。


「ぐっ!!」

脳天に走る衝撃に体が震えだす。

意識はあるものの、その場に倒れたまま身動き一つとれず声を出すことすらできない。