イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~

目の前にはなおも痙攣の止まらない柴村さんが倒れている。

あたしはキッとカンナを睨んだ。

「ていうかさ、イジメ返しには柴村さんは含まれていないでしょ!?それなのにどうして!?自分で血のつながった姉妹だって言ってたでしょ!?」

「うん。血のつながった姉妹だよ。だけどねぇ、カンナにとって静子ちゃんは必要のない存在だからこの際ここで消えてもらおうかなぁって」

カンナの顔からスッと笑顔が消える。

「今年、どうしても静子ちゃんと同じ高校に通いたいってパパにお願いしたらそのお願いをパパがかなえてくれたの!でもね、カンナがこの高校に入学したいって思った一番の理由は優亜ちゃんなんだよ?」

「え?」

「――逢沢優亜……じゃなかった~」

何故かスッと息を吸い込むと、カンナは一気に吐き出した。


「初めまして、市原優亜さん」

――イチハラユウア?その名前にドクンッと心臓が震えた。

頭の中が燃えるように熱い。

記憶の奥深くにしまい込み、絶対に出てこられないように閉じ込めていた何かが噴き出しそうになる。


「すごかったんだってねぇ~、優亜ちゃんの小学校時代!綾香ちゃんとか3人なんて可愛く思えるレベルだったって!ネットではモザイク付きの顔写真も出てたよ~?ほらっ、これこれ~!」

カンナは取り出したスマホを操作し、ディスプレイをこちらにかざした。

「何……これ……」

【鬼畜!小6女児が相次いでイジメを苦に自殺!イジメ加害者の主犯格。市原優亜(12)】

目の下が小刻みに震えて動悸がする。

なにこれ。意味が分からない。あたしの名前は逢沢優亜でしょ?

「どう?何か思い出した~?拡散されたネットのこの情報を見たら、優亜ちゃんに会ってみたくなっちゃって!どんなひどいイジメするのか興味があったから~!でも、優亜ちゃんは叔母さんの戸籍に入って名字を変えていた。しかも、自分がイジメた記憶を全部失っちゃって、イジメなんて許さないっていう偽善者に成り下がってたのっ!」

「なにそれ……適当なこと言わないで!!その写真もその内容も……全部あたしとは関係のないことだから!!」

頭が割れるように痛い。右手で頭を押さえると、カンナは更に追い打ちをかける。

「ダメ!ちゃーんと自分がしたことを思い出さなくちゃ~!前に駅前でお友達に会ったでしょ?あの子、優亜ちゃんの顔を見て怯えていたよね~?あの子のこと、優亜ちゃんイジメてたんじゃないの~?」

『……いっ……ごめんなさい、あたし急ぐから』

確かにゆずは困惑したような表情を浮かべて逃げるように去っていった。

あの時言いかけた『いっ』は市原さんと呼ぼうとしていたの……?

まさか……そんな……。