「ゆ、優亜!?」

目を見開く里ちゃんの顔にペッと唾を吐きかける。

「ウザい女。でも、残念だね。あたし里ちゃんの弱点握ってるから。ネットに里ちゃんの恥ずかしい写真ながしたら、どこに転校したってムダになちゃうね」

沢木綾香から取り上げたスマホの中に入っていたSDカードには里ちゃんのおもらし写真が収められていた。

「どうして、どうしてそんな……」


唇を震わせて顔を歪める里ちゃんを見ていると爽快な気持ちになる。

「どうして？そんなのアンタがウザいからにきまってる。イジメなんてそんな簡単なことから始まるのを里ちゃんはよーく知ってるでしょ？」

「お願い……それをあたしに……」

SDカードに手を伸ばす里ちゃん。あたしはにっこりと笑った。

「土下座してあたしの靴舐めて？そうしたら考えてあげるから」

ああ、気持ちが良い。この感じ最高。誰かを自分の手で支配できるのってこんなに楽しいんだ。

「ほらっ、さっさと舐めろよ！」

自分の声が沢木綾香の声とダブって聞こえた。