「アンタのこと、絶対に許さないから……!明日……学校でぶっ殺してやる!」
何とか言葉を絞り出して逢沢を睨むと、逢沢はにんまりと笑った。
「小山田さんに明日があればいいんだけどね」
「えっ……?」
どういう意味……?
聞くよりも先に西園寺カンナがあたしの足元に転がる茶色い財布を手に取った。
「あっ、これってマミちゃんの~?」
「……返しなさいよ!!」
父から早く捨ててくるようにと頼まれていた財布のことをすっかり忘れていた。
カンナはひょいっと手を持ち上げて奪うのを阻止する。
「って、これって本当にマミちゃんのなのぉ~?女の子が持つ財布じゃないなぁ~!もしかして……」
「違う!さっきそこで拾って今から交番に届けるところだし。だから、早く返してよ!!」
「――ふーん」
疑うような視線を向けたあと、カンナは財布を勝手に開け、中を確認し始めた。
そして、何かを見つけたのか口の端をクイッと上に持ち上げた。
「これってぇ、ちょっとまずいやつかもぉ~」
「は?」
「お財布に入れるGPSがついてるの。そんなのつけるぐらい大切なお財布……なんだねぇ~。交番に届けるよりもここで探している人を見つけた方がいいかも~!ねっ、優亜ちゃんもそう思わない?」
「うん。カンナの言うとおりだね」
「ちょっ、ちょっと待ってよ!!勝手なことしないで!!」
逢沢の言葉にカンナは手を空高く掲げて叫んだ。
「このお財布の持ち主の方いませんか~!」
その言葉を聞くなり、なぜか強面の集団がこちらへ歩み寄ってくる。



