イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~


「――お前、しゃべれないのかよ!?なんとか言えよ!!」

綾香はそういうと、柴村さんの椅子を蹴りあげた。

その拍子に柴村さんが床に転げ落ちる。

そのとき、まくりあがった右足の太ももあたりに大きな傷が見えた。

それはほんの一瞬の出来事だった。

彼女は今まで見たことがないくらいの勢いでスカートを直した。

長い前髪の隙間から綾香の様子を伺っている。

「気持ち悪いんだよ!!」

綾香は柴村さんの背中を蹴り上げる。

柴村さんは床にうつぶせに倒れこみ、左手で背中を抑える。


すると、マミがニッと笑った。

それは悪意のある笑みだった。

「ねぇ、日野田ちゃん!!先生がこないか、教室の外で待機して見てて!来たら時間稼ぎしておいて」

「えっ?」

顔を引きつらせる里ちゃん。

「いいから早く!!それから、アンタも後ろの扉開けらんないように見ててよね~!」

手際よく近くにいるクラスメイトに指示を出すマミ。

いったい何が始まるんだろうかと不安が募る。