前の方の席に座る綾香とみやびに視線を向ける。

2人の背中はどこか元気がないように見える。

小学校から付き合いであるマミが無理心中を図り亡くなったのだ。

当たり前と言えば当たり前の反応だった。

けれど、翌日には2人はそんなあたしの予想をはるかに超えた言動をとった。

「つーか、今日のワイドショー綾香で出てたでしょ~?」

「そう。昨日の学校帰り取材受けたの」

「薄いモザイクかかってたけどすぐ綾香だって分かったし」

「別にモザイクなんてかけなくていいって言ったんだけどね~。あたし、みやびにちょっと感謝しちゃった。だってモザイク越しとはいえテレビに出られたし」

「うちも今度インタビューしてもらおっと~!化粧ばっちりして可愛く映らなくちゃ」

「モザイクかけられたらわかんないって」

「確かに~!」

小学校から仲良しだったみやびが亡くなったというのに不謹慎な発言を繰り返す2人を嫌悪感丸出しの瞳で見つめていると、ポンッと肩を叩かれた。

「あのっ……、逢沢さん……ちょっといいですか?」

そこにいたのは柴村さんだった。