「みんなの意見を踏まえてグループを決めました。これでどうですか?」

しばらくして、里ちゃんは黒板にグループごとに名前を書き入れた。

あたしのクラスは39人で5人グループが7つできる。

ということは1グループだけは4人になる。

1班から7班までの名前を書き入れていったところでふとあることに気が付いた。

――変だ。

柴村さんの名前がない。

それに真っ先に気付いたのは綾香だった。

「あたしたちの班どうして3人だけなのよ」

「あー……、えっとあと一人……入ってもらう感じになるんだけど」

里ちゃんが言葉を濁す。

「ふぅん。で、誰?」

「えっと……」

「なに?ハッキリしてくれない?」

綾香がいら立ちを見せる。


「さっき、綾香ちゃんがあとは好きに決めてって言ってたから……いろいろみんなで考えて班を作ったんだけど……」

「もったいぶらないで早く言いなさいよ?イライラするんだけど!!」

綾香が声を荒げる。

里ちゃんは意を決して言った。

「柴村さんと4人グループになってもらえる?そうすれば、ピッタリだから」

その言葉に、綾香の眉間にしわが寄る。

「は?なんで?」

「あのね、うちのクラスって39人だから5人グループにするためには……」

「そうじゃなくて、なんであたしたちの班に柴村が入ってくるのよ!!」

綾香の怒声に教室内の空気が張り詰める。