「それよりさぁ、次は誰にイジメ返しする～？沢木綾香ちゃん、小山田マミちゃん、渡部みやびちゃん」

２つ目のドーナツを間食し終えると、カンナが唐突にそう尋ねた。

「渡部さん……かな」

みやびはあたしへのイジメを率先して行ったりはしない。

でも、綾香とマミをうまく手のひらで転がしてあたしへのイジメを増長させようとすることもある。

あたしの願いはただ一つ。

イジメのないみんなが楽しく過ごせる明るいクラスにすること。

そして、あの３人を恐れて学校へ来ることができなくなってしまった里ちゃんを再び教室に戻す。

また一緒に同じ教室で過ごしたい。

「みやびちゃん、ね！じゃあ、早速明日から始めよう！」

「ねぇ、カンナ……」

「ん～？」

「相手を傷つけたりするやり方はやめようね……？ただ、イジメをやめてもらうのが望みだから」

「大丈夫大丈夫～！カンナね、優亜ちゃんの気持ちはちゃーーーんっと分かってるから！」

カンナは胸を張り得意げに鼻を鳴らす。