「加奈子さぁ、覚えてる?瑠香のこと」
マリの口から唐突にでた名前に眉をしかめる。
「あの女がどうしたのよ」
「あたしたちさ、みんなで中学の時瑠香のことイジメてたでしょ?」
「だから、それが?」
あの女の名前を聞くのも不快だ。
マリはそんな私の気持ちを察してか小さく溜息を吐いた。
「まだ嫌ってんの?」
「別に。そんなんじゃないわよ」
「あたし達、瑠香にたくさん悪いことしたじゃん?なんかずっと罪悪感があってさ。でも瑠香ってば優しくて。あたしが謝ったら許してくれるって言ってくれて」
「……ハァ!?」
マリの言葉に思わず叫んでいた。
「ちょっと、どういうことよ!!許してくれって何?」
「高校生の時、瑠香にたまたま会ったの。そこで色々話したら瑠香ってばすっごいいい子でさ。あたし中学時代のこと本当に後悔したの」
「ふーん。それで?アンタさっきから何が言いたいのよ。あの、すみませーん!おかわりください」
話途中に店員にビールを頼む。
「――あたしと瑠香、今は親友なの」
マリの言葉に頭の中が一瞬でフリーズした。
この女、何言ってんの?



