ふと柴村さんからのメッセージが思い出される。

柴村さんはあたしを友達だといってくれた。

連絡先を教えてとお願いした翌日にわざわざスマホを購入してきてくれたことも記憶に新しい。

本当はわかっていた。

あの3人のイジメから目を背け、逃げていても何の解決にもならないことを。

我慢しても我慢してもきりがない。

あの3人はあたしや柴村さんを永遠にイジメ続けるだろう。

だけど、もしも。

もしもあたしがカンナの言うイジメ返しを成功させれば……どうなる?

少しは状況が変わるんだろうか。

柴村さんが笑顔になれる日が来るんだろうか。

美亜を救えなかったあたしに訪れた初めての転機。

それをここで逃せば、あたしは一生美亜への懺悔の気持ちを抱えたまま生きていくことになる。

さらに柴村さんにもしものことがあれば、あたしは二度も同じ過ちをおかしてしまうことになるんだ。


「優亜ちゃん、どうする~?やる?やらない?」

真っすぐあたしを見つめるカンナ。