「どういうこと……?」
「カンナも隣のクラスだからよく知らないんだけど、静子ちゃんの足の傷……あの3人がカッターナイフで刺したんだって噂を聞いたことがあって」
「え……?」
「もちろん、噂だよ~?あの3人と静子ちゃんって同じ中学でしょ~?」
そういえば、柴村さんの足には傷があった。
慌てて隠していたのにはそんな理由があったっていうの……?
「足をカッターで刺すなんて……信じられない」
「でも、それだけあの3人はヤバいってことだよ~?静子ちゃんって大人しいし、あの3人にやり返すことなんてできなそうでしょ~?」
「それはそうだけど……」
「だったら、優亜ちゃんが何とかしてあげなくちゃ!このままじゃ静子ちゃんまで自殺……なんてことになりかねないもん~!」
カンナの言うとおりだった。
大人しく内気な柴村さんがあの3人と対等にやりあえるとは思えない。
ここ数か月あの3人にイジメられただけで、あたしは精神的に極限まで追い込まれていた。
柴村さんは中学の時からこんな仕打ちを受け続けてきたんだろう。
だとしたら、極限状態に追い込まれていてもおかしくはない。
考えたくはないけれど、いつ自殺を図っても不思議ではないだろう。