「――そっかそっか~。優亜ちゃんがそんな目にあってたなんてカンナ全然知らなかった!」
落ち着きを取り戻したあたしは今までのことをカンナに全て吐き出した。
カンナは相槌を打ちながら真剣にあたしの話に耳を傾けてくれた。
「綾香ちゃんたちも若菜先生も酷すぎるっ!人をイジメるなんて最低最悪な行為だよ!今だって毎年大勢の人が自殺してるんだよ~?イジメってそれぐらい相手の心も体も傷付けるのにね」
カンナの口からでた自殺という言葉に美亜を思い出す。
明るくて誰とでも仲良くなれて、おっちょこちょいだけど憎めない。
いつもヘラヘラと悩みなんてないという風に笑っていた美亜もイジメという行為には耐えられなかった。
「――妹が……」
「ん~?」
「あたしの妹……美亜っていうんだけど……。美亜も……イジメられて自殺したの」
「えっ、そうなの~?イジメられて?」
「うん。しかも今は……姉のあたしまでイジメられてる……。ひどい話だよね」
フッと諦めたように笑うあたしをカンナは笑わなかった。
「優亜ちゃん、カンナにいい提案があるの」
「いい提案?」
「そう!」
カンナの目が爛々と輝く。
「イジメ返しするの。優亜ちゃんが妹の美亜ちゃんの仇を取るの!」
イジメ返し……?
聞きなれない言葉に思わず首を傾げる。



