空にはどんよりとした真っ黒な雲が広がり、大粒の雨が地面をたたく。

それはまるであたしの心の中のようだ。

体育館で行われた授業はクラス対抗のバスケットだった。

出番のないあたしは体育館の隅で膝を抱えてひっそりと目立たないように過ごした。

髪はまだ完璧に乾いてはいない。

時折、ジャージからコーラの甘ったるい匂いが鼻に届きむせそうになる。

制服は目も当てられないことになっているはずだ。

財布の中にはわずかな小銭しか入っておらずクリーニングに出すこともできない。

ハァと大きなため息が漏れた。

視線を持ち上げると、バスケを楽しむ綾香達が視界に飛び込んできた。