「……そういうこと、だったんだ」

急に彼女たちがあたしを友達同士と言ったのには理由があったんだ。

友達同士なら時にはお金の貸し借りをすることもあるかもしれない。

友達同士ならケンカをすることもあるかもしれない。

友達同士なら……。

先生は綾香たちに助言をしたつもりではないかもしれない。

けれど、先生の言葉が綾香たちのイジメを助長させたのは間違いなかった。

綾香たちは先生を味方につけたとタカをくくっている。

だから、今までよりも行動が大胆になりエスカレートしていっている。

「逢沢さん……私のせいで本当にごめんなさい」

「違うよ。柴村さんのせいじゃない」

「でも、私のせいで……」

「大丈夫。あたしはあの3人にも先生にも絶対に負けないから」

絶対に。心の中でそう誓う。

けれど、本当の地獄はすぐ訪れることになった。