「なんだ。アンタ、声出せるんじゃない」

クックと綾香が喉を鳴らして笑う。

それはまるで悪魔のような笑みだった。

綾香は腹部を抑える柴村さんの前髪に手を伸ばして、ギュッと掴み上げて上に引っ張った。

「っ……」

髪を引っ張られて顔を持ち上げた柴村さん。

その顔には苦痛の色が張り付いていた。


「うわっ、柴村、なんつー顔してんの~!!」

「ちょっとぉ、マミ。笑っちゃかわいそうでしょ?」

「とかいって、うちだけじゃなくてみやびだって笑ってんじゃん!」


マミとみやびが目を見合わせてケラケラと笑う。