「クラス委員になりたい人がいなくて、里ちゃんが仕方なくなっただけです。みんながやりたくないことを里ちゃんがやってくれていたんです。目立とうとなんてしてない!!」
それどころか里ちゃんは綾香たちに再び目をつけられないようにできるだけ目立たないように学校生活を送っていた。
それを知らないくせに、里ちゃんが目立とうとしていたとか、居場所を見つけられず弾かれたなんていわれたくない。
「――ハァ……。あなたが嫌われるのがよくわかるわ」
先生は長い前髪をけだるそうにかきあげると腕を組んだ。
「私が学生時代にもあなたみたいな子いたわ。いつの時代もいるのね。そういういらない正義感を振りかざす子。その子も見事にクラス中の嫌われ者だったけど」
その子も、ってどういうこと?私が同じだって言いたいの?
「そういうところがみんなの鼻につくんでしょうね。人のことにまで首を突っ込んで、正義感ぶって。今時そういう熱いのって流行らないわよ?」
「先生……」
「出る杭は打たれるっていうでしょ?あなたも柴村さんもあの教室の中で異質な存在なの。柴村さんは見た目で、あなたは態度でみんなに嫌われているの。それを自覚しなさい」
「どうして……そんなひどいことが言えるんですか?」
唇が震える。先生も……あたしの味方になどなってくれない。
先生も……綾香側の人間。イジメる側だ



