昼休みになり、クラス中がザワザワとうるさくなる。
財布を手に学食へ走る人、机の上にお弁当を広げる人、よほど眠いのかお昼休みなのに机に伏せて眠っている人。
そんな中、教室の中央付近で不穏な空気が広がっていた。
「アンタさぁ、口ついてんのになんでしゃべんないの?」
苛立った様子の綾香が仁王立ちして腕を組んだまま柴村さんを睨み付けていた。
「本当お化けみたいで気持ち悪っ!!うち、こんな暗くて気持ち悪い人みたことないんだけど~!!」
マミがわざとらしく両腕をこする。
「二人ともやめなよぉ。呪われちゃうよぉ?」
綾香とマミの横で涼しい表情のみやび。
――また、始まったんだ。
心の中でポツリと呟く。



