用事なんてうそ。本当はあの4人といたくなかった。

「はぁ…。」

もう…これ以上嫌な人間になりたくない。これ以上嫌な思いをしたくない…。

「ただいま…」

あ、そうか。お母さん今日夜勤って言ってたっけ?お父さんも出張中だし。

ーガツッ!ー

「なに?!」

棚にぶつかって箱が床に落ちた。

「…これ、おばあちゃんの?」

中には写真が入っていた。

「…きれい…」

その写真には海が写っていた。

「そういえば、おばあちゃんよく言ってたよね」

『嫌なことがあれば海に向かって叫んだらいいよ。そしたらスッキリするから』

「ふふっ。…でも、うちの近くに海なんてないから無理なんだけどね…」

海…かぁ。

「調べてみよ」

私はパソコンに海までの行き方を調べた。