“人生をどう生きるかじゃないんだよ。人生。どう変えられるか。“

「私、過去は胸の奥にしまう。…つまんないって思うだけの人生を変えてみせるから!」

「がんばれよ」

「うん!翼のおかげだよっ」

「俺は何もしてねぇよ。あとはお前がどうにかするだけだ」

「…うん。みんなと向き合ってみる」

「…ほれ、お守り」

「え?」

それは翼が指につけていたリング。

「それ持ってがんばれよ」

「…うん!!」

私が頑張る日…それは月曜日。

今日は土曜日。明日が帰る日…そう思うと胸がズキッと痛む。

なんでだろう。まだここにいたい。ここを離れたくない…。…海をまだ見ていたいから?…ううん。違う。私…



翼が好きなんだ…。



「ほら、もう寝るぞ。家帰ろ」

「う、うん!」



「おやすみ」
「おやすみ」





翼…



「好き」

「あ?何か好きって?」

「そのお菓子大好き〜!わーいこんなにくれるのぉ?…うへへぇ〜…」

「ぶはっ。…くくっ…なぁんだ寝言か。なんの夢を見てんだか」

違うよ…寝言じゃないよ。好きなの。届いてほしい。けど、この気持ちは…翼にとって迷惑になるもの…。

「おやすみ。立海」

無性に泣きたくなる。…ごめんね。翼。翼には好きな子がいるんだったね。ごめんね。私が翼のこと好きになって。ごめんね…私がもし未来を変えられたら、この想いを伝えてもいいですか…?