「立海…立海にとって”今”ってなんだと思う?」
「い…ま…?」
「そう。今」
「…」
「立海はこれからどう生きたい?」
「…わかんない」
「…どうして?」
「つまんない。人生が。」
すると翼はこっちを向いた。辺りは暗くて翼の顔なんて見えないはずなのに、なぜか悲しそうな顔をしているように見える。
「…立海がつまんないって思えるのは、いつも仲間といるから」
「え?…」
「立海がつまんないって思えるほど、仲間が立海の側にいるから。」
「…」
「仲間ってさ、どんな時だってそばにいるものなんだよ。つらいときも嬉しいときも。…つまらない人生っていって投げ出したら、その仲間達はどう思う?」
「人生をどう生きるかじゃないんだよ。人生をどう変えられるか。なんだよ?過去は変えられない。けどさ…」
私は手で顔を塞いだ。…涙が止まらないから。あふれてあふれて…手で拭いては、またあふれてくる。それは仲間がどんなことがあっても側にいてるくれるのと同じように…。
「未来を…変えてみろ。立海」
「…グスッ。…ん。」
「…けどまたつまんない。なんて思ったらしっかり相手の顔を見てみろ。よく見るんだよ?そして、言葉でつたえろ。」
「うん…」
「変えられない未来なんかない」
なんでだろう…翼の言葉は心の奥底まで響いてくる。