私は靴を脱いで海の水に足をつけてみた。

「つめたっ」

うぅ…やっぱり夜は冷えるなぁ…

「…海の神様…私の悩みを解決してくれませんか…?」

海の神様。それはよくおばあちゃんが口にしていた。

『海には神様がいるんだよ。その神様は悩みを解決するために魔法をかけてくれるんだ…。海の神様はきっと立海が悩んだ時に助けてくれる』

なんで今になって思い出したんだろう…海を見たからかな?

「海の神様…かぁ」




「悩み、聞いてやるよ」

「……え?」

「おい。聞いてたか?」

「ぎ、ぎゃあああああああ!!!」

「わっうるっさいな」

「ゆゆゆゆ、ゆうれい…」

夜の海に人がいるわけがない。そう決めつけ、幽霊呼ばわりしたこの少年はれっきとした人間らしい。

「なぁーんだ。びっくりした」

「それは俺のセリフ」