‐同時刻︰演劇部(狼牙)side‐

部室の窓に寄りかかり新入生を1人1人観察している4人組。それを、懐かしそうに見る2人そんな奴らがある1人の少女の運命を狂わす。

聖「雅斗、誰か気になる奴居たかー?」
高校の部室にあるとは思えない、革張りのソファに腰掛けたまま、窓から楽しそうに新入生を観察しているうちの1人に話しかけ

雅斗「ん~。まぁ、今の所。誰も居ないかな~。今年は、良い奴居ないんじゃない?去年の俺らみたくね~」
窓から目を離し、首を軽く回しながら聖の近くのソファに腰掛けつまらなさそうに答え。

迅「ん~。あ、見てみて!面白そうな子達が居るよ~!」
少し興奮したように、窓から中庭を指差し。その指差した先には、1人の少女と2人の男子。一見、そこら辺に居る人と違わないように見え、ただ唯一違うのが纏うオーラ。

拓哉「はいはい、分かったから。指ささないの。んで、迅が気になる後輩ちゃんは?」
軽く迅の頭を叩きながら、窓から離れていた体を再び窓の方に向け指を指した方向に目を向け。

和樹「俺には、喧嘩か怒られてるだけにしか見えないけど…?」
スマホから少し目を離して少しだけ窓に目線をやりまた、スマホの画面に目線を移し。

渉「まぁ、どっちにしろ。気になったなら、実際に会ってみれば早いだろ。行くぞ」
ソファから立ち上がり、部室の扉を開け中庭へと向かい。

迅「相変わらずの即決振りだね~。僕等の時もそうだったの?」
窓から体を離し、渉の後を追おうとしていた聖に声をかけ。

聖「んー。まぁ、先代達がそうだったからね」
迅の方を振り向き、少しだけ考え微笑し。

迅「へぇ~。そうなんだ~。あ、てか。早く行かないと後輩ちゃん達大変になっちゃうね」
閉じられた扉を見ながら、ふと思い出したように呟き少し急ぎ足で中庭へと向かっていった。