優しい笑みを浮かべて私の頭を撫でてくれる小林くんがいた。
今までに見たことがない小林くんの表情に私は思わず見惚れてしまう。
そして優しく撫でてくれる温かい手はまるで幼稚園のときにイジメられてた私を助けくれた子の手の温かさと似ている気がして。
不思議と嫌悪感は湧いてこなかった。
…男子にいきなり触れられると絶対ゾワッてなるのに。
「…文野?」
いつの間にやら自分の世界にトリップしていたようで小林くんに呼ばれハッと我に返る。
でも…
「は、はい…!」
き、緊張しすぎて声が裏返ってしまった…!
顔が熱くなるのを感じる。
恥ずかしさのあまり泣いてしまいそうだ。
「文野、中杉の言ってた通り大翔なんかにそんな緊張しなくてもいいよ。」
「おい、ちょっと待て!」
「なに?大翔」
「なに?って!真弘も明香も俺の扱い酷くない!?」
「別に酷くないだろ。」
「そうね。別に大翔だしね。」


