だから昼休みに笑い声があるなんて久しぶりだ。
…それも初恋の女の子が隣にいるのだ。
俺は綾香のほうを見て、すぐに視線を自分が今食べているパンに戻す。
これまで、こんなに綾香の近くにいることなんてなかったから正直まだドキドキしてる。
しかも隣に座る綾香のほうからなんかいい匂いしてくるし…。
俺はなんとかそんな気持ちを心の中に押し留め、パンを食べ終えた。
「あ、そうだ!」
まだ少し残っていたおかずを飲み込み、なにかを思いついたように綾香は口を開いた。
「週末の勉強会、弟もいいって言ってくれたよ!ただ中学もテスト期間らしいから一日中弟いるみたいなんだけど…」
それでもいいかな?と綾香は首を傾げながら聞く。
「俺らは全然いいけど、むしろ綾香ちゃんの弟さんはいいの?俺ら邪魔じゃない?」
「あ、うん。なんかぜひ家でって念押された。今川くんのこと知ってたみたいだし。」
「…なぁ、綾香の弟って文野龍哉か?」


