私は思わずあすちゃんから視線を外した。
顔が熱い。
前からはまだあすちゃんのくすくす笑う声が聞こえた。
きっとあすちゃんにはバレてる。
私が小林くんと隣だったらいいのにと考えていたことも。
今、私の顔が真っ赤だということも…
☆☆☆
それからは通常通り。チャイムと同時に担任の先生が教室に来て朝礼が始まり、授業が始まる。
そして4限が終わり、昼休みになった。
私とあすちゃんはすぐに教室を出て、第二図書室に向かう。
そういえば小林くんたちはもう教室にいなかったけど、もう第二図書室に行ったのかな?
と、思っていたら
「好きです!!」
第二図書室がある別校舎に行く途中に非常階段がある。
そこで、その言葉はいきなり聞こえてきた。
姿は見えないけど可愛らしい女の子の声で。
私とあすちゃんは顔を合わせて頷き、その声に気付かないふりをしてそのまま歩いて通り過ぎようとした。


