そして廊下には私たち二人だけが取り残された。
「なんか嵐のようだったね。」
「う、うん。それに小林くん、なんか不機嫌だった?」
「大翔もいつもより苛立ってた気がする。」
「どうしたんだろうね?」
「…さぁ?」
そんな話をしながら階段を上り三階にある教室まで行く。
まだ教室にいる人は少ない。
今の時間帯だとまだみんな朝練をしているから。
いつもだとあと十分くらいで朝練も終わるし、クラスの人たちが集まってくるんだ。
ちなみに私とあすちゃんは帰宅部。
小林くんと今川くんも帰宅部らしい。
でも二人とも教室に来るのは遅刻のチャイムが鳴るギリギリ。
まだ8時だし二人ともあと三十分あるけど…
第二図書室で時間潰すのかな?
「綾香、今日の英語の課題やってきた?」
「あ、うん!やってきたよ!」
私がそういうとあすちゃんの表情がパァっと明るくなる。
「あのさ最後の問題分かんなかったから教えて!!」


