最後の方は大翔から視線を逸らし、早口で捲したて俺は家の中に入った。
大翔をいじることは多いが、一応親友だとは思ってる。
だからこそ、アイツが一番外見だけしか見られないことに苦しんできたことを、俺は知っている。
そして、いつか大翔自身を見てくれるような人が現れてほしいと思ってた。
だから中杉が大翔の作り笑いを見破ってくれて。
ちゃんと大翔自身を見てくれるような子と付き合うことができて本当によかったと思う。
まぁ、綾香まで大翔の作り笑い見破るとは思わなかったけど。
「ただいま…」
「兄ちゃん、おかえり!」
リビングに入ると、アニメを見るためテレビに釘付けだった弟が俺の方を振り向く。
「ただいま、直生。」
俺は直生の頭を乱暴に撫でた。
「直生、俺着替えてくるな。」
「うん!兄ちゃん、あとでいっしょにゲームしよ!」
「あぁ」
直生の頭をもうひと撫でして俺は二階の自分の部屋に行く。


