「お前、幼稚園の時に1回しか会ってない綾香ちゃんのことずっと覚えてるとか…。え、気持ち悪っ」
「うるさい。お前の方が気持ち悪いし。…それに綾香と会話したのは1回だけだけど、そのあとも何回か綾香のことは見かけてるんだよ。」
「なにそれ。詳しく!」
大翔は俺話したくない気持ちを無視し瞳無駄にキラキラさせる。
「…小、中どっちも陸上の大会のときに見たんだよ。」
俺は結局諦めて大翔に話した。
「えっ、綾香ちゃんも陸上やってたのか?」
「いや、陸上やってないと思う。でも大会の日はだいたいいたから応援で来てたんじゃね?」
「あぁ、だからお前さっき綾香ちゃんに弟が陸上部かどうか聞いてたのか。…って、真弘、お前なんでそんな怖い顔してんだよ」
ふと中学の時に大会で見たある光景を思い出した。
「…大会の時、綾香の隣に男がいたんだよ。」
「はっ!?でも綾香ちゃん男子苦手なんだろ?それこそ弟と一緒にいたんじゃねーの?」


