「QRコード出すね!」
「おう!」
私はアプリを開くとQRコードを出した。
それを小林くんが読み取ると、小林くんのアイコンが表示された。
「サンキュ!またLINEするな。」
「うん、こちらこそありがとう!」
「じゃあ、俺らは帰るな。」
「うん!また明日ね!」
「あぁ、また明日な。おい、大翔。もう行くぞ。」
そして小林くんは今川くんを置いて来た道を戻っていった。
「おい!真弘、待てよ!ごめんね〜明香、綾香ちゃん。また明日!」
「大翔、バイバイ!」
「今川くん、また明日ね。」
今川くんは小走りで小林くんの背中を追った。
ただ耳に残るのは無表情だったけど優しく、甘く聞こえたその言葉。
でもそのあとの今川くんに呼びかけるときの声はいつも通りの少し気だるげな声で。
「……私の、勘違い?」
「綾香?どうしたの?」
「ううん、なんでもない!」
小さく小さく呟いたその声はあすちゃんにも届かないまま宙(そら)に消えていった。


