「手、繋ぐの、ダメだったか?」
「…い、いや…その、ダメじゃないけど…は、恥ずかしい」
おぉ、あすちゃんの顔が真っ赤になってる!
か、かわいい…
今川くん、あすちゃんにこんなかわいい表情させちゃうなんて…
ちょっと悔しいかも。
「ダメじゃないなら繋いでてもいい?」
今川くんがそう問いかけるとコクッと頷いたあすちゃん。
その瞬間、今川くんの表情はパァと明るくなり2人は手を繋いだまま第2図書室から出ていった。
あすちゃんは結局赤い顔のままだったけど。
「・・・」
「・・・」
そさはて取り残された私と小林くん。
「……はぁ、」
重苦しい沈黙のあと、隣からため息が聞こえてきて思わずビクッとする。
「…綾香、俺らも早く行こうぜ。」
しかし私に向けられた言葉も声もすごく優しくて。
やっぱりいつもの無愛想な小林くんと同一人物だとは思えなかった。


